ざっくり解説ITテクノロジー② 「ブラックホールの写真をどのように撮影するのか」
em0です。前回は生命情報処理についてざっくりお話ししましたが、今回はちょっと脇道に逸れて、神秘的な宇宙のお話をしてみたいとおもいます。
話の元になっているのはこちらの、昨年TEDで行われた公演です。
www.youtube.com内容が非常に面白かったので、ざっくり翻訳、ざっくり要約、3回くらいに分けて紹介して行きたいと思います。
【地球サイズの望遠鏡】
突然ですが、皆さんはブラックホールの写真を見たことがありますか?
多分ほとんどの人の頭の中にあるのが、こんなのだと思います。
ところがこれ本当のブラックホールじゃない(かもしれない)のです!
というのも、きちんとブラックホールの写真撮影に成功したという事例は未だなく、全て理論(いわゆる一般相対性理論とか)に基づいてのアイディアからこんな感じだろう・・・というイメージに沿って人工的に作られたものだからです。
一体何故なのか。
それは、光さえも飲み込んでしまうほどにブラックホールの密度が高いからです。物体の姿を私たちが捉えるためには、必ず、わずかにでも光が必要です。そんな定義からして見えるはずのないものをどのようにして研究者たちは撮影しようとしているのか。
ブラックホール自体は見えません。しかし電波望遠鏡を使うことで、周囲の高温プラズマが重力で捻じ曲げられる様子は観測することができます。つまり、我々が一般的に思い描くようなブラックホールの写真は、周囲の光によって生まれる影なのです!
とは言っても、それすら撮影することは容易ではありません。何故なら我々の住む地球から遥か彼方にあり、例えるなら月の表面にある1個のオレンジを観測しようとするのに等しい行為だからです。なんとなく難しそうだというイメージは掴めますが、これが理論的にどのくらい難しいのかというのを公演では一つのシンプルな方程式で表しています。
物体を観測できる最小のサイズ ≒ 波長 / 望遠鏡のサイズ
つまり、観測したいものが小さければ小さいほど、より大きなサイズの望遠鏡が必要になるということです。
真面目に計算すると、ブラックホールを観測するためには地球と同じ大きさの望遠鏡が必要になるそうです。
・・・不可能ですね 笑 ٩(•౪• ٩)
長くなりましたので、今回はここまで。次回はどのようにして地球サイズの望遠鏡を用意するのか、というところをお話しして行きたいと思います。
またよろしくお願いします。em0でした。
em0